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寄与分と遺留分との関係などその他の問題点

遺留分を侵害する寄与分の定めの有効性

設例

被相続人:甲
相 続 人:妻A、子B、C
相続開始時の積極財産:6,000万円
相続開始時の消極財産(相続債務):800万円

このような中、Bの寄与分を3,000万円と定めた場合、Cの遺留分は、(6,000万円−800万円)×1/8=650万円となりますが、Cの相続分は、(6,000万円−800万円−3,000万円)×1/4=550万円となり、Bの寄与分の定めは、Cの遺留分を侵害することとなります。

民法上、遺留分が遺贈に優先することは定められていますが(民法1029条1項)、寄与分と遺留分の優劣関係については明確な規定はありません。

遺留分を侵害する寄与分の定めの有効性

通説は、遺留分が被相続人の財産処分に対する制度であるのに対し、寄与分は共同相続人間の公平の実現を図る制度であって、両者は全く無関係であることなどを理由に、遺留分を侵害する寄与分の定めも有効であるとしています。

しかし、上記の有効性を前提としつつ、遺留分の制度は、遺贈の効力をも制約して、相続人とされる者についてその地位を保持しようとする制度であることからして、相続人とされる者についてその地位を実質的に失わせるに等しい寄与分の定めは妥当性を欠くものとも考えられ、このような考え方も有力です。

また、通説に従えば、民法上、遺贈が寄与分に(民法904条の2第3項)、遺留分が遺贈に(民法964条)優先されると定められているため、これらの定めとの間に矛盾が生じてしまいます(民法の定めによれば、遺留分>遺贈>寄与分のはずなのに、寄与分>遺留分と考えてしまうと矛盾が生じます。)。

そのため、遺留分権者の立場からは、遺留分を否定するような寄与分の主張に対し、その不当性を主張することができると思われます。

遺言との関係

寄与分を直接定めた遺言の効力

例えば、@「Aに寄与分を与えない。」、A「 Aに寄与分として全遺産の2分のlを与える。」、B「寄与分として、Aに甲不動産を与える」といった内容の遺言がなされた場合に、それらの効力が問題となります。

寄与分を考慮した遺贈、相続分の指定の効力

通説は、寄与分に関する事項が遺言事項とされていないことを理由として、遺言でなされた寄与分の定めは効力を持たないとされています。

他方、被相続人の処分権を制限するのは遺留分制度のみであって、その制度内であれば被相続人が相続人に対する寄与分を考慮してなした遺贈、相続分の指定も有効であると考える立場も有力です。

消極的寄与(財産を減少させる行為)の扱い

相続財産の維持・増加への寄与とは逆に、相続財産又はその価値を減少させる行為(消極的寄与)をどう扱うかという問題があります。

結論としては、消極的寄与があることは「一切の事情」(民法904条の2第2項)として寄与分を定める際に考慮されることとなります。

寄与分の譲渡、放棄、相続

(1)寄与分は

寄与分は遺産分割に際して、寄与分を有する相続人の相続分を修正する要素であるため、相続人の地位に付着したものであると考えられます。

したがって、相続開始前に寄与分が寄与分請求権者から分離され、別個独立に譲渡することは認められません。

また、寄与分が相続人の相続分に付着するものであり、相続開始前の相続放棄が認められないとされている(民法915条1項)ことからすれば、寄与分請求権者が寄与分のみを放棄することも認められません。

(2)他方

他方、相続開始後に、(a)寄与分請求権者が相続分を譲渡した場合に、相続分に含まれる寄与分も譲渡されるのか、(b)寄与分請求権者が死亡した場合に、寄与分も相続されるか、の2点については別途問題となります。

これらに対する結論としては、(a)、(b)共に否定する立場、(b)のみ肯定する立場、(a)、(b)共に肯定する立場が主張されていますが、このように見解が分かれる原因は、寄与分の一身専属性をどの程度まで認めるのかについて、考え方の違いがあるためです。

しかし、行使上の一身専属性が、ただちに相続上も一身専属性を有することに結び付くわけではなく、寄与分を財産権に近いものと考えれば、寄与分の譲渡、相続を否定する程の一身専属性をもつものとは考えられません。

よって、(a)、(b)共に肯定する立場が実務的には有力となっています。

遺産分割後に認知された者による価額請求と寄与分

民法上、相続開始後に認知によって相続人となった者が遺産分割の請求をしようとする際、他の共同相続人がすでに遺産分割を終了してしまっている場合には、他の相続人に対して価額による支払請求をすることができます(民法910条)。

また、その際、寄与分を考慮することもできます(民法904条の2第4項)。

なお、先立つ遺産分割手続において寄与分の主張がなされていなかった場合、又は寄与分が定められていた場合であっても、あらためて寄与分を定めることになります。

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